2009年12月06日

2010 STARBOARD "QUAD" 81L

452009年、プロダクションでは初の"QUAD"ウェイブボードをリリースしたSTARBOARD社。
先進的なボードデザインで知られる同社が、人気モデルのシングルフィン"EVO"シリーズ、昨年リリースした"EVIL TWIN"シリーズを廃止してまで投入したウェイブの新しい定番モデルです。

昨年、同社の開発を牽引するスコット・マッカーシャーの来日時に、大会で道具の解説をお手伝いさせて頂いた僕としても、STARの開発についてはとても気になるところです。

なおこのボードについては8月に一度お借りしたものの風が軽く十分な試乗ができませんでしたので、レポートを保留しておりました。
外観の比較レポートは書かせて頂きましたのでこちらをご参照ください。

「STARBOARD "QUAD" 81L プレ試乗報告/遠足の部屋」



<<使用コンディション>>
場所:遠州千浜
風:スタボーサイド、サイドからサイドオン、12m/s~17m/s、max20m/s近く
波:腰、セットで腹~胸
セイル:NP THE FLY 3.6, Simmer MissionX 3.7

finこのボードの最大の特徴はなんと言っても4枚のフィン。
外側2枚は通常のツインフィンで使用するフィン。
サイズは16cmです。
内側はサーフィンでよく見られるFCSタイプ。

前回乗ったときには微風でも思いのほか安定感があり、使いやすいボードだと思いましたが、同時に強風でオーバー気味に乗ったとき、フィンの感触はどうなんだろう、大丈夫かな?と思っていました。
今回の試乗で全く問題ないことがはっきりしました。

withQuatroアウトライン等は前回のレポートでQuatro81Lと比較しておりますのでご参照ください。
昨年のEvil Twinと比較すると、外観上は非常によく似ています。
しかし乗ってみると全く感触が異なるので、とてもびっくりしました。
Evil Twinよりも安定感があり、大きく感じますが、運動性能はEvil Twinと同等かそれ以上です。
STARBOARD社がEvil TwinとEVOを終了しQUADに一本化したのも納得の性能です。


40<<ライディング>>
走り出しの加速感は決して優れているとは言えません。
あまり浮き上がってこないボードですので、徐々に加速し、滑らかにプレーニングに入っていきます。
プレーニングに入っても、速度が遅いうちは少しテイルの引きずり感があります。
そして速度が上がってもボードの前半分が浮いているような感触にはなりません。
ノーズを低く構えたまま突き進む感じで、独特な走りをします。
通常のウェイブボードに乗るときより体がボードの外側に出るような感じになるのも特徴的です。

435.9でプレーニングしない時も、3.6でバリバリ走る時も乗りましたが、乗っているだけであれば67kgの僕にとっては十分に"使える"ボードです。

3.6の時に波に突っ込んでいくとボードが大きすぎて波から弾かれてしまうことが多かったのですが、これは適正ボリュームを超えた範囲の話であり、通常の走行に耐えられる風域がこれほど広いボードというのはなかなか無いように思います。

もちろん、この81Lの上にも下にもサイズがラインナップされていますので、極論するとこのシリーズで2本持てば全てのウェイブコンディションをカバーできるように思います。


走りの中で特筆すべきはやはり上りの性能でしょう。
微風の時にも楽にポジションをキープできる安心感がありましたが、強風でも安定して高い角度で上ってくれるので、もはや流される心配は無用と言っていいくらい、楽に上れます。

風が少し抜けると、スピードが遅くなりながらもプレーニングからはなかなか落ちません。
テイルを少し引きずりつつプレーニングを維持してくれるので、これもまたトータルで上りの角度を稼げる要素です。

バックサイドでの波乗りですが、微風コンディションでは波が中途半端だと失速して置いていかれることが多いのですが、このボードは一度波を捉えると粘って走り続けてくれるので、ポジションを取りながら波が張ってくるのを待つ余裕が作れます。

この性能、大きなボードなら分かるのですが、81L、ノンプレーニングコンディションという前提を考えると驚異的です。

強風時には逆に少しもたつきを感じました。
これは風速に対しボードが大きすぎたので全般的に感じていた動きにくさの一部だと思います。
3.6の風域でもアンダー気味に波に入ってきたときはバックサイドの動きも楽にできました。

フィンが4枚あっても変に引っ掛かることはないので、カットバック、バックサイドオフザリップもスムーズにこなすことができ、波の前にしっかり飛び出すことができます。

フロントに落とすところからボトムターンですが、この部分にツインとの違いを少し感じます。
ツインの特徴のひとつで、フロントでのライン取りの自由さというところがありますが、STARのQUADの方が少し自由度が低いように感じます。

ドライブの利いたターンは可能ですし、スピードも十分につけられますが、波が思ったより早く落ちてきたのでターンを調整して素早く仕上げたい、そんなときに少しボードがついてこない感触があります。

しかしこれはあくまでもQuatro RhythmやJP Twinserのようにサイドショア重視でルーズな感触を売りにしたツインに対しての感想であり、今までのシングルフィンボードや走りの強いタイプのツインなどと比べると、このQUADの方が動きやすく感じます。
走りの安定感等を含めたトータルではSTARのQUADの方がバランスの取れた性能を持っていると言えそうです。

トップターンでも先述のボトムターンの感触と似たようなところがあります。
ルーズな動きのできるタイプのツインに比べると、ターンを返した後にボードがスパッと足もとまで戻ってくる感覚は感じにくいところですが、それでも他のタイプのボードと比べれば動きの良さは際立っています。

また失速しにくい特徴はここでも現われています。
波の形が崩れ、パワーが抜けたりしたときもボードがグリップして走り続けてくれるので安心して次のアクションを狙うことができます。
この全てに渡る安定感は、一発勝負の大会に出る選手などにも強い味方になりそうです。

ジャンプは楽しいです。
走りが安定しているし、多少風が抜けてもプレーニングを維持できるので、狙った波に楽にアプローチでき、いい角度、スピードで飛び出せます。
テイルが短いせいか水切れが良く、空中の自由度も高く感じます。
ハイジャンプもロングジャンプも乗り手次第という感じで、実はこのボードの隠れた長所なのではないかと思いました。

トータルの印象では、とにかく風域の広さ、上りの良さ、全般的な安定感に特徴のあるボードでした。
僕が使用したコンディションは、このボードの本来のターゲットである風域を上にも下にも外していましたが、それでも楽しい性能を発揮してくれたのが好印象です。

この後、Mr.Xさんがこの中間の風域でも乗ってくれていますが、この印象はそのままで楽しめたようです。

<<一般ライダーの声>>
注:
ここでは一部否定的なご意見も敢えて掲載しております。
ライダーの経験値、感じ方の違い、コンディション、使用セイルの違いなど様々な要因がありますので、良い意見も悪い意見も参考程度にお読みください。
もちろん、僕自身の意見も参考程度に読んで頂ければと思います。

Mr.Xさん:
・1回目:遠州千浜、3.6

81Lと言うボリュームにもかかわらず、オーバーでもボードが暴れません。
(しかし波の中ではさすがにオーバーフロー)
のぼりはびっくりするほどとれます。
最近試乗した各ツインやクワッド、あるいは前年モデルのツインも含めた中でトップクラスの上りがとれます。

ボード幅のせいもあると思いますが、ボリュームバランスがよくタックも楽チン。
体感ボリュームとしては84~85Lくらいに感じます。
ジャンプも飛び出しやすいです。

全体としてJPのような万人向けの完成度の高いボードだと思います。
スピード・走り出しに関しては激オーバーのため参考にならず。


・2回目:遠州三浜:4.7ジャスト

クワッドのイメージに反し、走り出しはかなりよいです。
ただ通常よりややシモに向けて走り出させる必要がありました。
しかし、ボードの浮きも良くすぐに走り出しますし、それに付け加え上りがとてもよいので走りやポジションキープに関しストレスは全くありません。

スピードは最近のボードにしてはやや遅い部類に入ると思いますが、ウェイブボードとしは必要充分なスピードがありますので、逆にコントロールのしやすさが際立ちました。

ジャイブ・ボトムターン時にも変なクセもなく、レイルの入りが素直で自然なターンができます。
ただトップターンの時に他のツインにくらべ、ほんのわずかに板の返りが鈍く(遅く)感じました。

この部分がスタークワッドを試乗して唯一気にいらなかった部分なのですが、ボード自体がかなり完成度の高さを感じるボードなので、もう少し長い時間乗り込めば何か(改善)方法見つかりそうな気がします。

全体としては本当に良くできたボードだと思います。
以前試乗して気に入ったファナティックNWツイン86Lと同等以上に好きなボードとなりました。

コンディション的にはもうワンサイズ下のクワッドを試乗したいところです。

>>顕達コメント
Mr.Xさんには結構たくさん乗って頂いたのでコメントも豊富ですが、全般的な安定感、上りやすさなどの特徴は誰もが感じられるところだと思います。
これだけ幅広いコンディションで同じように良さを感じられるというところにこのボードの懐の深さが現われていますね。

以上

ridemarinesnow at 22:00│Comments(0)TrackBack(0)ウェイブボード | STARBOARD

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